「ソリューション」という名の「モノ売り」をしていませんか?

「ソリューション」という名の「モノ売り」をしていませんか?

 

中小企業には「ソリューション営業」が必要

ここしばらく「ソリューション営業導入コンサルティング」のパッケージ化を行っていましたが、それが大体完成しました。今日は、なぜこのようなパッケージ化を考えたか、その背景をご説明します。

独立して2年半が過ぎ、その間いくつかの中小企業のご支援をしてきましたが、中小企業の最大の課題は何と言っても売上増大です。そして、売上増大の方法として、良く言われることではありますが、主として2つの方向が検討されてきています。

ひとつは新技術の開発等によって画期的な新商品・サービスを出すことです。もうひとつは、顧客の抱えている問題を解決する、”いわゆる”「ソリューション」を提供することです。

前者は私の得意領域ではないので、本稿では後者について議論していきます。

「ソリューション」ってなに?

ここで最初に問題にしなければならないのは、「ソリューションとは何か?」ということです。

ネットを見ると、「ソリューション」の定義とされているものは大体似ています。たとえば次のようになっています。

「顧客の抱える問題・課題を解決したり、要望・要求を満たすことができる製品やサービス、およびその組み合わせのことをソリューションということが多い」(ソリューションとは 〔 ITソリューション 〕 〔 システムソリューション 〕 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典

困るのは、一見もっともらしそうな定義なのですが、このようなものをいくら検討しても、自分の会社にあったソリューションを作れるそうもないことです。

およそ製品・サービスというものは「顧客の抱える問題・課題を解決したり、要望・要求を満たすことができる」ものでなければ売れません。たとえば、飲料を買うのは「喉が渇いた」という問題を解決するためです。その問題が解決できない(塩辛くて却って喉が渇く等)モノが「飲料」として棚に並んでいても、誰も手を出さないでしょう。

T. レビットの有名なセリフ  “人は四分の一インチの穴を買うのであって、四分の一インチ・ドリルを買うのではない” (マーケティング発想法: セオドア・レビット )が指しているのは、このことです。

上記のソリューションの定義なるものは、単に製品・サービスが売れる条件を述べただけであり、わざわざ「ソリューション」という言葉を使う必要がある状況を何ら説明していないのです。(好意的に読むとすれば、”製品やサービス、およびその組み合わせ”という表現で何らかの付加価値があることを主張しているのでしょうが、そこをきちんと述べなければ定義としての価値はありません。)

ということで、「ソリューション」という言葉を導入して何か意味のある作業をするためには、顧客がなぜ製品・サービスを買うのかの「そもそも論」に立ち返って議論する必要があります。

「ソリューション」という言葉に意味があるのは、顧客が自分で問題を解決できないとき

製品・サービスが売れるのは、買い手が抱えている問題との間に下図のような重なりがある場合です。

ソリューションとは

この図から分かるのは、「良い製品・サービス(Aと呼びます)を出したら売れた」というのは、買い手が自分の問題を理解できていて(市場が存在する)、Aがその問題の解決手段になると受け入れたからだということです。

この場合、顧客は問題が分かっていて、Aを買って「自分で」問題解決をします。

これはいわゆる「モノ売り」の世界です。この市場が確立し規模が大きくなると大手企業が参入してきますので、体力的に劣る中小企業は遅かれ早かれ撤退を迫られます。

これに対抗するには、顧客が「自分で問題が解決できない」市場を探し、さらに場合によっては、顧客と密に接しながら顧客自身が意識化できていない問題を顕在化させる作業をする必要があります。

このように、顧客が「自分でできない」問題解決を支援することを指して「ソリューション」という言葉を使うのであれば、その先何をすれば良いかの道筋が見えてきます。

時間が経つにつれ「ソリューション」は「モノ」に変わる(ことが多い)

ただし、「自分でできない」という言葉が示唆するように、「モノ売り」と「ソリューション」というのは顧客が問題解決にどの程度習熟しているかで変わる相対的なものなので、その点に注意が必要です。

たとえば、かつて(今でもそうですが)印刷と言う仕事は、デザイン、版下作成、製版に分かれ、それぞれに専門家がいました。自分が望む印刷物を作成しようと思い立ったときには、これらの専門家達と相談を繰り返して自分なりの「ソリューション」を手に入れる必要がありました。

ところが、DTP (Desk Top Publishing)と卓上プリンターが普及した現在では、大抵の印刷物は自分で作れます。印刷が「ソリューション」であった時代から、DTPソフトとプリンタという「モノ」を買って「自分で」印刷する時代に変わったのです。

一方、現在でもDTPソフトが使いこなせない人たちにとっては、印刷は人に頼まないとできない「ソリューション」のままでもあります。

「ソリューション」という言葉を使っているとき、顧客が成熟した市場での「モノ売り」になってないかどうか、自社都合ではなく顧客視点から見直す目つきが必要です。

ソリューション事例として お客様事例 / ソリューション | リコー に掲載されているものも、顧客が「コスト削減」等の問題の解決方法を「自分で見つけられない」ならソリューションでしょうが、私にはそのような時代は終わりかけているように思えます。

職業的コンサルタントの出番

さて、ここまでは理屈上の議論ですが、実際にここから前に進めるには、二つの課題があります。

一つ目は、新たな資源を投入する余力がない中小企業は、現状の自社の強みとマッチする「顧客が自分で解決できずにいる問題」を探す必要があるのですが、これが難しいようです。今まで頼まれた仕事をこなすことが中心だったので、顧客が何を欲しているかを考えるという訓練ができていないのです。

二つ目は、自らのの強みを明確に表現することです。ブランド力のない中小企業が顧客の問題解決を手伝うと言っても、それだけでは相手にされません。顧客が納得するような訴求が必要となります。

私は、ここに職業的コンサルタントの出番があると思っており、その端くれとして個人的にお役に立てればと考えています。

私に限らず、コンサルタントであれば常にクライアントの心配事から出発して仕事をしているはずです。その結果、顧客視点でものごとを考える習慣が身についています。さらに、数多くのクライアントに出入りしているので、業務知識が豊富で中小企業の持つ強みとマッチする問題を見つけるお手伝いができる可能性が高いでしょう。

また、コンサルタントにとっては表現力こそ命です。パラメーターが多い複雑な問題から本質を抜き出し、皆が合意できるかたちに表現したり、馴染みのない解決策を具体的に分かりやすく説明する、等の経験を数多くしています。それゆえ、中小企業の強みを潜在顧客に効果的に伝達するお手伝いができるでしょう。

以上のような背景から、中小企業の「ソリューション営業」のお手伝いをしたいと考えています。

その手始めとして、中小(零細?)企業の一員としての自らの強みを訴求する手段として、自分のコンサルティング手法をパッケージ化したという次第です。

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