ソリューション営業で成功するために信じるべき2つのこと

ソリューション営業で成功するために信じるべき2つのこと

 

前置き(お断り) 

最初にお断りしておきます。これからお話しするのは、私が自分の経験から導きだした経験則(つまり偏見)であり、いつもと違って論理を積み重ねるとこうなると主張するものではありません。

同じ目的を達成するのに、他の考え方・やり方をする方々が大勢いてもちっとも不思議ではありませんし、それが間違っていると主張するつもりもありません。

私にはこうするのが最も理に適っているように思え他の道が思い浮かばない、という話なのです。

売上に貢献する案件はごく一部(20:80の法則)

前置きはこれくらいにして、信じるべきことの最初は、良く知られている20:80の法則です。

営業の過程では、様々な案件が生まれその多くが消えていきます。その中のいくつかが生き残り、売上を達成します。しかも、成約案件についても売上高のはらつきがが大きいのが普通です。

ここで法則が述べるのは、「総案件のうちの20%が総売上高の80%に貢献している」ということです。

たとえば、ソリューション営業の基本戦略: 高橋 勝浩 でも、この法則が出発点となっています。

これを信じるか否かは各人の自由ですが、そもそもこのような偏りのないところで業務の改革を行っても大きな効果が生じるはずがありません。

業務分野を問わず、現状に問題を感じる経営者は、「この法則が成立する」という仮説を立て、それを検証することから始めるべきでしょう。(この法則をどのような軸に当てはめるかに知恵がいるのは、言うまでもありませんが。。。)

実際、営業に限らず私が引き受けたコンサルティングのほとんどすべてで、何らかのケースでこの法則が成立しており、そこが突破点となって改革が成功していきました。

無駄なことはやめよう

さて、この法則が実際に成立していた場合、そこから何が分かるでしょうか?それは営業には膨大なロスが生じているということです。たとえば、以下のようなケースが散見されます。

  • 担当者にしか会えない。(担当者には権限がないので、たとえ気に入られても成約につながらない。成約しても金額が小さい。)
  • 何度か会った後、フォローの電話をかけても忙しいと断られる。(ご用聞きなので、相手に自社の強み・メリットを感じてもらえない。)
  • 顧客が少ないので、見込み薄の案件にしがみつき、延々と時間をかける。
  • うまく成約したケースでも、個別の条件を満たすために手間ひまをかけて得たノウハウが、他の案件に生かされない。

これを見れば、上位20%に入らない案件にかける手間の多くを削減し、もっと可能性のある案件の発掘と追跡に集中すべきだという結論になります。

売れる条件は2つしかない!(ことを信じよう)

ここまでの理屈は割に広く受け入れられるかもしれませんが、問題はここから先がうまく進まないことです。

可能性の高い案件に集中するためには、顧客企業の上位マネジメントに食い込み、彼らの悩みの解消に適した提案をしていくことが必須となります。これが簡単なら、どこの企業もとっくにやっているはずで、これが一筋縄でいかないからこそ悩んでいるのです。

それでも前に進むためには、もう一つのことを信じる必要があります。それは、「売れる」のは、次の2つのうちのいずれかが成立している場合「しかない」ということです。

  1. 提案しているソリューションにはっきりとした強みがある。
  2. 担当の営業が顧客から信頼されている。

こう書くと当たり前のように聞こえますが、これを信じているかどうかで差が生じます。

信じていれば、どちらかの条件を満たそうと必死になって活動します。信じていなければ、どちらの条件も達成するのが簡単でないので、他の逃げ道を探します。その差が大きな違いを生むのです(と、私は「信じて」います。)

私が信じる理由:苦手だった営業ができるようになったから

私は45歳で研究職からコンサルタントに転進したので、ずっと売るのが得意ではありませんでした。長い間自分の営業マインドの無さに悩んでいたのですが、ある時非常に大きな案件が一発で売れて開眼しました。それが1の条件が満たされていたときでした。

それは大手メーカーの購買改革の案件でした。我々の提案の強みのベースとしたのは、IBM自身が分散購買から集中購買へ改革した経験でした、しかし、集中購買のアイデアそのものはIBMの専売特許では無く、それだけでは差別化できません。

実は私自身はそこまで意識していなかったのですが、我々の提案の中に、実際に集中購買を実現しようとした場合に出くわす様々な問題(設計と購買のガバナンス、部品コードの統一、等々)を書いたページがありました。お客様がそこに強く反応されたのです。実際に改革プロジェクトをやったものでないとそこまでは分からないはずで、IBMコンサルティングにはその経験がある、とお客様が判断されたのです。

私がそこで学んだのは、お客様が買うのは提案書の中身であり、それを提案する営業の技術の巧拙ではない、ということです。1があれば、私のようなものにでも売れるということです。

この購買プロジェクトが成功した後、そのお客様のクライアント・パートナーとして居続けることになりました。最初は小さな案件しかもらえず結構苦労したのですが、そのうちいろいろな相談を頂くようになりビジネスが拡大しました。そのすべての案件に誰かしら役員クラスの人が絡んでいました。

私の経験の範囲外の案件もありましたが、その時よく言われたのが「福永さんが一番うちの会社のことを知っているから。うちの社員よりもね」でした。

営業のやり方は全く進歩していませんでしたが、2の信頼をベースとして案件を頂いたのです。

まず強いソリューションで入り、それから信頼される

世の中のトップ・セールスと言われる人は、初対面のお客様からすぐに信頼を獲得し、その中から聞き出した情報で強みのあるソリューションを作る、等という芸当ができるのかもしれません。

しかし、私のような不器用な人間(世の多くの営業さんがこのタイプだと勝手に決め込んでいます)には、まず1をやって、その上で2の信頼を獲得するという順番しか、ソリューション営業で成功する方法はないと感じています。

すなわち、次の図でまず①をやり、その成功をベースに②をやるという方法です。

ソリューション営業2

ただし、私のケースのように何年もかけてこの順を踏めと言うのではありません。一つの案件の中で、まず優れたソリューションを提案しお客様の関心をつかんだら、その上でお客様の心配事・関心事を深く理解し、お客様に合った個別ソリューションへのカスタマイズを行うという②の手順を採るべきだと考えます。

多くの企業でソリューション営業がうまく進まないのは、①の覚悟が足りないからではないでしょうか?

ソリューション営業で良く聞くのが「まずお客様の声を聞く」ということですが、この作業自体はお客様には何のメリットもありません。これができるのは、既に②の信頼関係が確立できているお客様に対してだけです。

20:80の法則のところで挙げたような顧客数が足らないがために数少ない案件にしがみついているような企業には、②はとても望めません。

となると、自分たちで①を考え始めざるを得ません。それも、モノ売りの発想での商品・サービスの開発では不充分で、お客様の問題が何かまで考え抜く必要があります。

この作業を徹底してやり抜くためには、20:80の法則が腹にしみ込んでいて、後がないから①をやり抜くしかない、と言う覚悟(信念)が必要だと思っています。

最後に宣伝

この信念を共有する経営者の方に対し、もし私の経験してきたことがお役に立てるのであれば、喜んでお手伝いさせて頂きたいと思っています。前回の冒頭で触れた「ソリューション営業導入コンサルティング」のパッケージは、このような想定で作ってあります。

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